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チック症を治すために

チック症とは、頻繁なまばたきや唐突な首振りなどが見られる神経の病気です。以前は心理的な要因が関係していると思われていましたが、脳が発達段階である児童期から青年期に見られるものである事がわかってきました。

本人の意思とは関係なく、体が突然に動く、声が突然出るという症状が一定期間続くもので、自分ではコントロールがしにくいものです。チック症の場合には一過性ですが、長期に渡り慢性化する同症状のものをトゥレット症候群と呼びます。

チック症の原因はよくわかっていませんが、脳の神経伝達物質の感受性に何か問題があることで起こるのではないかと言われています。また、遺伝的な要素もあるのではないかと考えられています。

チック症の治療は薬物療法を用いますが著効することが少なく日常生活上での周囲のサポートや理解が必要となります。学校や家庭生活に障害が起こらないようにしてあげることが重要です。

チック症でお困りの方にとって、チック症の原因や症状、治療法などを知ることは重要なことです。このページではチック症について詳しく説明しております。

1.チック症とは?

チック症とは人間の神経に係わる症状で、脳が発達している段階にある小児期に顕れることが珍しくありません。成長するにしたがって、症状も消失もしくは軽くなっていくのが一般的ですが、成人後まで長引くケースもあります。長期化した病状は、トゥレット症候群という別の診断名が用いられ、難病に指定されています。

チック症は、年齢が18歳未満であり、期間が1か月以上に渡り続く場合、発症したとみなします。米国精神医学会が出版している『精神障害のための診断と統計のマニュアル』の第4版が、診断する際の基準とされています。

病状が突拍子もなく奇妙で、当たり前に生活するなかで違和感があるので、生活を共にしている家族、とくに最も近い存在である母親が最初に気づくことが多いようです。

チック症は、かつて親子や対人による関係性の問題が指摘されていた時代がありました。お子さんにチックの症状が出た保護者の方は、「自分たちの育て方に問題があるのではないか」という悩みを、心理的な療法を中心に解消していた経緯があります。

最近の研究でチック症は、脳内にあるドーパミン受容体に係わりが深く、脳の機能障害として扱われるようになりました。親子で共通した気質を持つなど、遺伝的な要因は指摘されていますが、決して間違った育児の方法が原因ではないことが認識されています。

チックの発症は通常4−6歳が多く、1012歳の間に最も症状が重くなることが多いと言われます。女児より男児に多い傾向があると報告されています。

2.チック症の症状

チック症の症状には、音声によるものと動作に特徴を持つものがあります。音声や言語の特徴などの症状を音声チック、体の動きに関する症状を運動チックと呼びます。

音声チックの中でも音声は、音声はとくに意味のない「あ~」や「うっ」などの短い発声やせきばらい、耳障りな奇声、「ばか」や「アホ」、「クソババア」や「死ね」などの不快な罵声、また周囲の人や自身が言ったことば尻を何度も繰り返すなどです。

運動チックの中でも、初期に見られるものに、ひんぱんな瞬き(まばたき)や頭を振る動きがあります。表情に関する症状では、顔をしかめる、唇まわりをなめる、口をあける、鼻をぴくつかせる、などがあげられます。

他にも、筋肉がピクリと動く、肩をすくませる、跳びあがる、身体を前後にまげる、スキップをするなど、目的のない突発的な動きが見られます。

チック症についての知識がなく事前に知らされていなければ、チック症の小児は奇妙な感じに捉えられてしまう可能性があります。「この子は、悪意があるのだろうか?」といった誤解を招くかもしれません。これらの症状が1年以上、続く場合は「トゥレット症候群」として扱われることになります。

またトゥレット症候群にまで発展すると、多動性障害や学習障害など別の症状を併発している可能性も高くなり、さらに支障が出てきます。小児科や心療内科、神経症を専門とする医師のもとで詳しく診察を受けるのが良いでしょう。

3.チック症の原因

チック症の原因は判明しているわけではありません。最も有力な説として脳内の神経伝達物質が関係していると言われており、具体的には基底核でのドーパミン神経が過活動となっていることが唱えられています。ドーパミンは、運動の調節やホルモンの分泌に係わり、また精神面への影響力もある伝達物質です。

また、要因として遺伝的な側面も関与していると言われています。チック症に見られる奇異な動きや筋肉運動は、遺伝子や中枢神経といった、本人の意識とは無関係である本質的なところに原因があるといえます。

直接の原因というわけではありませんが、病状を悪化させる、長期化させる後天的な要因として、情緒面でのストレスが指摘されています。周囲の人々に対する気まずさから、ムリに症状を抑えようとすると、心理的には負担になります。かえって、症状がひどくなることも考えられます。

普段は症状があまり出なくても、例えば学校での授業参観日や習い事での発表会など、大勢の人たちの前で緊張することを強いられる場合、症状が増幅するということもあります。チック症は、精神的な影響を受けやすい病気ともいえます。

4.チック症の治療

チック症の症状があるために日常の生活が困難になる、学校で授業を受けるのに妨げとなる、友人と接触する上で支障がある場合などは、薬物により和らげるという目的で処方されることもあります。

日常生活や学校生活に大きな問題を生じる場合には、治療薬を処方されることもあります。

治療の方法として、以前は行動療法や心理療法が中心にありました。しかしチック症は脳内の神経に関する病気であることがわかってきた現在、それらの療法は主流でなくなっています。ただ完全に否定するわけではなく、2次的なものに関しては従来のように有益となる場合もあります。

チック症の最も有効な対処法は、家族や周りの人々に理解してもらい、チック症の症状を受け入れてもらい、チック症でお困りの方本人の日常生活が円滑に回ることが大切です。

チック症は、成長するにしたがって自然に収束することも多いため、周囲の人が暖かい目で見守ることが大切です。家族や周りの方々、学校での担任の先生などにもチック症の理解を深めてもらう必要があります。あまり神経質にならずに、症状が出ても、優しく見守っていくスタンスも大切だといえるでしょう。

チック症でお困りの方やそのご家族にとって、チック症の症状は日常生活・学校生活でのストレスの原因にもなり、2次的な症状の出現や悪化なども起こします。有効な薬物もほとんどないため、周囲の方の理解とサポートが重要となります。

また、薬物以外では規則正しい生活や十分に睡眠をとるなど生活面での対処が重要であり、緊張を緩和したりストレスを溜めないようにするなどチック症の悪化に効果をもたらすこともあります。

チック症は年齢とともに収束することも多いと言われており、長期的なサポートが重要となります。このような周りの受け入れ、サポートにより症状の増悪防止も期待できますどうかあきらめないでください。

強迫性障害を治すために

強迫性障害は、以前は強迫神経症と呼ばれていたもので、不安な気持ちがもとになって起こる精神疾患です。ふと浮かんだ不快な思考にとらわれ、頭から離れない状況に陥ります。それは冷静に考えると、「ばかばかしい」としか思えない類のことなのですが、やめられなくなるのです。

不安という情緒から発生していて、一度支配されてしまうと抜けだすことができず、仕方のないことばかりに思考をめぐらせてしまいます。そのために、生活するうえで悪影響が出ることも多々あります。

具体的には、手が汚れているような思考が頭から離れず何度も手を洗ったり、ガスコンロの火を消していないかもしれないという考えが消えずに何度もコンロを確認するなどの行為などがこれに当たります。

その1/3はこれらの不安を他人にも確認、また強要することもあります。この強迫性障害の約30%はうつ病を併発しているといい、治療には時間がかかります。

強迫性障害を治すためには、強迫性障害の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、強迫性障害を治したい方のために、強迫性障害の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1. 強迫性障害とは

強迫性障害とは、無意味な考えを打ち消すことができずに、不安な状態が続く不安障害のひとつです。常識で考えると、「そんなこと、あるわけない」と否定できるような妄想じみたものです。

強迫性障害のよくある症状例として「コンロの火を消したかな?」「玄関のカギは閉めたかな?」と出先や電車・バスの中などで気になります。不安でたまらず引き返してみると、きちんと火は消され施錠もされています。安心して出かけると、再び同じ考えが頭に浮かんでくるのです。

このような事を数回、繰り返せば「過剰に心配しすぎている」と思うでしょう。理屈では理解できても考えることを止められず、苦しい気持ちが続いていくのが強迫性障害の特徴です。

その患者層は社会的背景・宗教・地域などによる差はなく、生涯有病率は2.5%と言われています。男女差はなく、35歳以上での発症はまれであり、20歳以下での発症がほとんどであると言われています。

2. 強迫性障害の症状

強強迫性障害の症状には、複数のパターンがあります。例えば、意図せず人に危害を加えてしまうのではないか、といった衝動性に関する強迫観念です。

また、他人や公共のもの(電車のつり革など)が不潔に思えて触ることができず、触れてしまうと何度も手を洗わずにはいられない、という行為です。

ちょっとした出来事に固執して「なぜそうなったのか」と理由を追求し人に聴きまくる、自分の行いが正しかったか、あるいは完璧であったかが気になり、確認せずにはいられなくなる、作業などで何度も数えて計算しないと気が済まない、という行動も強迫性障害の症状のひとつです。

強迫性障害で起こりうる症状は様々なものですが、最も多いのは不潔に対する心配です。他に、自分や人が傷つけられるのではないかという心配や、正確性を追求しすぎる、数字にこだわる、無用なものへのこだわり、など様々なものです。

たいていの場合は、強迫観念と呼ばれるものに対して強迫行為が組み合わさることが多く、例外として性的なものに関する強迫観念なども存在します。これは本人が考えたくないようなせいのイメージが沸き起こるものです。(近親相姦になるのではないか?など)

強迫性障害は発症すると回復と悪化を行き来しながら慢性化しがちです。重症になるとこの強迫行為が長くなり、社会生活や日常生活に影響を及ぼします。時には他人への確認を求めたり、これらの確認行為を手伝わせたりすることもあります。

3. 強迫性障害の原因

強迫性障害の原因は、完全には解明されていないのが現状です。ひとつは、心因性や環境的な要素が考えられています。しかし、何かが引き金となり発症するというよりも、もともと原因となるものを持っていて発症するという傾向があります。

強迫性障害を発症しやすい気質はあります。何事にも細かく几帳面である、完璧主義者で、いいかげんなことはしない、という方は注意が必要でしょう。遺伝的な要素または家族環境なども影響しているのではないかと言われていますが、詳細はまだわかっていません。

研究が進む中で、原因として有力とされているのが脳内の働きに関する異常です。具体的に、大脳基底核(だいのうきていかく)や大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)の障害、神経の伝達物質であるドーパミンやセロトニンが、うまく機能していないことです。

そのため、パーキンソン病やトウレット症候群などのドーパミンに関連した疾患との関連性が指摘されています。今後の研究が待たれるところですね。

精神疾患である「うつ病」や、神経系の障害である「統合失調症」と症状が重なる場合もあります。まずは専門の医療機関で詳細に検査し、病名を特定することが先決です。

また不況や病気の流行など社会情勢や、仕事や対人関係などのストレス、妊娠出産などのライフイベントなどが発症のきっかけになることが多いと言われています。

4. 強迫性障害の治療

強迫性障害の治療には、薬物を使用する方法と認知行動療法があります。

認知行動療法では、「例えば、強迫性障害で「手を洗う」行為を限りなく繰り返す症状があります。実際に手は汚れているわけでなく、「洗いたい」という衝動が止められないのです。

そこで、あえて手を汚し「洗いたい」気持ちを抑える訓練をします。洗う回数を減らしていき、気にならないレベルまで意識をコントロールするのです。何度も数えることがやめられない方は、数えた回数を記録し、少しずつ行為そのものを減らす操作をします。

最終的には、不安な気持ちが生じない状態を維持できることが目的です。ただ現段階では専門分野の医師が少なく、今後の普及がのぞまれるところです。薬の服用と並行して、ふさわしい方法が選択できる状況になれば理想的です。

強迫性障害の症状は病気により起こるもので決して、性格などから起こるものではないことを、本人も家族も認識することが大切です。強迫観念が強くなると周囲の人に確認を要求します、繰り返し起こるために周囲の人は疲れてしまう傾向にあります。

基本的には本人の要求を受け入れないことが重要ですが、(強迫観念からくるものであって確認の必要がないとわからせることが大切)そのことによりさらにストレスが溜まって悪循環になることはあります。これらについての理解と受け入れが重要です。

また治療には時間がかかるために、病院への通院などを自身で中断してしまわないことも大切です。服薬の自己中断などをしないようにサポートを得ることも大切ですね。

強迫性障害でお困りの方にとっては、不安要素が拭えないことから確認行為を繰り返してしまうことに周りの理解が得られず、苦しい思いをされている方もいます。周りや家族の理解も重要なポイントです。

強迫性障害は、脳内の神経伝達物質の障害ですが、不安が強いことから不安定で苦しい思いをされることでしょう。しかし研究も進んでいることから、新たな成果も期待できます。どうぞあきらめず、効果の得られるよう治療に専念してください。

パニック障害を治すために

パニック障害とは、突然、激しい動悸や息切れ、震えなどの身体症状が起こり、強い不安感をおぼえる病気です。このようなパニック発作を起こしている間は、死ぬかもしれない、気がくるってしまうかもしれないと恐怖を感じます。

パニック障害は、不安を感じる絶対的な理由がなく、他人にはわかりにくい病気です。身体症状が出ているのに、血液検査などには異常が認められません。

パニック発作を繰り返し、またいつその症状が出るかわからないので不安になり、発作を起こしたことのある場所や逃げ場のなさそうな場所を避けるようになる、というのがパニック障害の特徴です。

パニック障害は男性よりも女性に多い病気です。

パニック障害では、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで、不安を感じやすい状態になっていると言われています。そのため、このバランスを整える治療をすることで、症状の改善が見られます。

ストレスや性格、環境などが影響していると考えられますが、薬物療法で症状を抑えながら、考え方や行動を修正して、パニック障害を改善することができます。

パニック発作は1時間以内に治まりますが、本人にとって非常に苦しい状況です。きちんと対処して早く治したいものです。

パニック障害を治すためには、パニック障害の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、パニック障害を治したい方のために、パニック障害の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.パニック障害とは

パニック障害とは、突然、動悸や息切れ、震え、発汗などの身体症状を伴って、強い不安感・恐怖感におそわれる病気です。このような状態をパニック発作と言います。パニック発作は、10分以内にピークに達し、数十分ほどで治まります。

パニック障害は、日本では100人に23人が発症すると言われており、特に珍しい病気ではありません。しかし、誰でもが大きな不安を感じるような場面でもないのに、強烈なパニック状態になるので、他人には理解することが難しい病気です。

パニック障害は女性の方に多く見られ、男性の約3倍と言われています。20~40代で多く発症し、30代女性が最も多いということです。

パニック障害は、身体症状が現れるにもかかわらず、検査をしても身体には異常が認められません。この点で、似たような身体症状を示す他の病気と区別されます。

パニック障害は、死を感じるほどのパニック状態になりますが、パニック障害で死ぬことはありません。適切な治療を行うことで改善できます。

2.パニック障害の症状

パニック障害の症状の特徴は、急な動悸や息切れ、震えなどの身体症状と、強い不安感が現れるパニック発作です。このパニック発作で、死を感じたり、気が狂ってしまうのではないかという恐怖を感じたりします。

パニック発作は繰り返されることが多く、発作が起きているときは死ぬかもしれないと思うほどの恐怖を感じ、発作が起きていないときは、また発作が起きるかもしれないと不安が続き、さらに発作を招く原因となります。

またいつ発作が起きるか常に不安を感じることを「予期不安」と言います。これもパニック障害の症状です。

予期不安が強くなってくると、発作が起きた場所や逃げられないような場所・状況を恐れるようになります。これを「広場恐怖」と言います。広場恐怖はパニック障害の方の多くに見られる症状です。

そしてそのような場所や頼れる人がいない場所に行くことを避けるようになります。これを「回避行動」と言います。

「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」は、パニック障害の三大症状です。常に不安が付きまといます。

3.パニック障害の原因

パニック障害の原因は、不安に関係する神経伝達物質ノルアドレナリンと、興奮を抑える神経伝達物質セロトニンのバランスが崩れることだと言われています。ノルアドレナリンの働きが相対的に強くなることで不安の感情が強まると考えられています。

パニック障害にはストレスがかかわっていると言われています。大きなストレスがかかった場合だけでなく、ストレスを感じやすい人はささいなことでもパニック障害を引き起こす原因となる可能性があります。

ストレスを感じやすい人は、性格環境が影響しています。

  • 心配性
  • 神経質
  • 人見知り
  • 動物を怖がる人
  • 30代女性
  • 疲労

性格上、ストレスを感じやすい人は不安も感じやすく、パニック障害の原因となりやすいです。また、30代女性は、年齢的に仕事や家事・育児に忙しく、ストレスがかかりやすい環境にあります。

そのほかに、喫煙、飲酒、カフェイン、自律神経失調症、人間関係、ぜんそく薬などが影響する場合があります。

4.パニック障害の治療

パニック障害の治療を行う際には、似たような症状を示す他の病気との鑑別が必要です。パニック障害に特徴的な症状があり、血液検査、心電図、レントゲン検査などで異常がない場合に、パニック障害と診断されます。

パニック障害の治療は主に薬物療法と心理療法を行います。両方を組み合わせて行うと効果的だと言われています。薬物療法でパニック発作が起こらないようにコントロールしながら、心理療法で不安を感じにくい考え方を身に付けていきます。

パニック障害は、長引かせると症状が悪化し治りにくくなりますので、できるだけ早く治療を開始しましょう。

1)薬物療法

薬物療法ではパニック発作が起きないように、薬の量が調整されます。勝手に薬の量を増減すると副作用が強く出たり、症状が強くなったりする可能性があるので、自己判断で薬の量を変更しないようにしましょう。

2)心理療法

認知行動療法

パニック障害について学習し、どのような環境で症状が出るのかを把握します。ものごとに対する考え方や行動の仕方を修正します。

自律訓練法

自己暗示で、リラックスする方法を身に付けます。

3)生活習慣の改善

パニック発作を起こさないために、日常生活も見直してみましょう。

  • 起床時間・就寝時間・食事の時間を決め、規則正しい生活をしてリズムを整える
  • カフェインを控える
  • 飲酒量を減らす
  • 喫煙を控える
  • 適度に運動をする
  • 疲労をためない
  • 趣味などでストレスを発散する

パニック障害は、強い不安と突然起こる身体症状で、恐怖も感じる非常につらい病気です。本人が病気に立ち向かうとともに、周囲の方の理解も大切です。

もし、パニック発作が起きた場合は、床に腹ばいになるか、椅子に座って前かがみになり頭を下げると、動悸や息切れが治まり、少し楽になります。誰かそばにいれば、手を握ってあげたり声をかけてあげたりすると、不安が少し治まります。

パニック障害の三大症状「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」で悪循環を起こさないよう早めに対処しましょう。

パニック障害は、突然心身に起こるパニック状態で気が動転しがちですが、薬物療法と心理療法でしっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。

不安神経症を治すために

不安神経症とは、特別な理由がなく強い不安を感じてしまう病気です。同じような状況に直面しても、多くの人が特別な不安を感じることはないのに、不安神経症の方は不安で混乱してしまったり、なんとなくいつも不安を感じていたりします。

不安神経症という言葉は、現在、不安症あるいは不安障害と表現されることが多く、急性症状のパニック障害と慢性症状の全般性不安障害とに分類されています。

不安神経症では、不安や恐怖を強く感じ、身体症状も現れ、日常生活にも影響してきます。他の人には、何にそんなに不安を感じているのか理解してもらえないこともあります。

そのため、より不安を感じてしまい、悪循環となります。不安神経症の方は、不安を感じそうな状況や場所を避け、行動範囲を狭めてしまいがちです。

不安神経症の方は、大きな不安を感じているうえに、身体症状の発現や周囲の無理解などに苦しまれていることでしょう。

しかし、不安神経症は適切な治療をすることで治りやすい病気とも言われています。症状の改善に向けて、焦らずできることから少しずつ始めてみましょう。

不安神経症を治すためには、不安神経症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、不安神経症を治したい方のために、不安神経症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.不安神経症とは

不安神経症とは、不安な感情が強すぎ、日常生活に影響を及ぼす病気です。不安という感情は誰もが経験するもので、不安の理由がはっきりしているのですが、不安神経症では、具体的な理由がないにもかかわらず強い不安を抱いてしまいます。

不安神経症は、男性より女性の方が多く、年齢的には2040代が多いということです。

現在、神経症という言葉はあまり使われておらず、不安神経症は不安症不安障害と表現されています。不安神経症はアメリカ精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」で「パニック障害」「全般性不安障害」に分類されました。

不安神経症のうち、パニック障害は発作的に強い不安を感じる急性症状で、全般性不安障害は不安な状態が長期間続く慢性症状です。

2.不安神経症の症状

不安神経症の症状は、一言で言うと極度の不安を感じることですが、その不安のためにさまざまな身体症状も現れます。普通の不安感情と不安神経症の境目を判断するのは難しいのですが、日常生活に支障をきたしている場合は不安神経症の可能性があります。

急性の症状であるパニック障害と慢性の症状である全般性不安障害に分けてご説明します。

1)パニック障害の症状

突然生じるパニック発作がパニック障害の特徴です。パニック発作の症状としては、動悸、息苦しさ、震え、しびれ、発汗、めまいなどがあります。

パニック発作は数分ほどでピークに達し、死を感じるほどの恐怖感がありますが、数十分程度で治まります。重症の場合は、2日に1回くらいの頻度で繰り返します。

パニック発作は強烈なため、またいつこのような状態になるかわからない、一人のときに発作が起こったらどうしようという不安を感じます。これを「予期不安」と言います。

一人で出かけることが怖くなったり、逆に人混みの中や逃げられない場所に入ることを恐れたりすることがあります(広場恐怖)。そのため、発作が起こった場所や状況を避けるようになります(回避行動)。

パニック発作が繰り返し起こり、パニック発作が起こるかもしれないという不安が1カ月以上続くと、パニック障害と判断されます。

2)全般性不安障害の症状

不安感が長く続き、落ち着かない、眠れない、動悸、めまい、疲労感などの症状があり、常に緊張状態にあります。これらの状態が長く続くため、うつ状態を引き起こす場合もあります。パニック発作は起こりません。

ものごとに対する強い不安が6カ月以上続きます。不安が長く続くため、何か作業をするにしても集中できません。特定の対象だけに不安を感じるのではなく、一つのことが解決しても対象が変わっていきます。

全般性不安障害を発症した人はパニック障害の34倍とも言われています。

3.不安神経症の原因

不安神経症の原因は、ストレス、環境、性格、遺伝が考えられます。

大きなストレスやとなるできごとや、あるいは周囲からは気にするようなことではないと思われるようなことでも、ストレスを感じやすい人にとっては不安神経症を引き起こす原因となりうるのです。

性格上、不安を感じやすい人は、ささいなことがきっかけで不安神経症を発症する可能性があります。

  • 心配性
  • こだわりが強い
  • 完璧主義
  • 神経質
  • 感受性が強い

1)パニック障害の原因

パニック障害を発症する人は、何か心に引っかかる大きなできごとを経験しているケースが多いということです。幼いころの虐待や少年期の喫煙、アルコール・カフェイン・鎮静薬などが原因となることもあります。

また遺伝的な要素も原因と考えられ、近親者にパニック障害を発症した人がいる確率が高いようです。

2)全般性不安障害の原因

はっきりとした理由がなく、あらゆるものごとが不安を感じる対象となります。原因は特定されませんが、不安を感じやすい性格や、ストレスなどが影響していると考えられます。

4.不安神経症の治療

不安神経症の治療を行う前に、身体疾患がないか確認をします。不安神経症と思われる症状が見られ、尿検査・血液検査・X線検査・心電図・超音波検査などで異常が認められなければ、不安神経症と診断されます。

不安神経症の治療は、主に薬物療法と心理療法を行います。どちらか単独で行われる場合もありますが、薬物療法と心理療法を併用した方が効果が高いと言われています。また、日常生活の見直しも症状の改善に役立ちます。

1)薬物療法

抗不安薬

即効性がありますが、効果は一時的で、依存性の副作用があります。緊急対応として使います。

β遮断薬

震えや動悸などを抑えますが、効果は一時的です。

2)心理療法

カウンセラーと話し合い、不安を感じるものごとへの考え方や行動を修正していきます。

認知行動療法

不安のメカニズムなどを学習し、自分の感じている不安がどのようなものかを把握します。どのように行動したら良いかを検討し、実行に移します。

暴露療法

不安を強く感じそうな状況にあえて対面し、混乱せずに行動できるよう繰り返しトレーニングして、不安を感じにくくしていきます。

自律訓練法

自己暗示でリラックス状態を作り出します。

3)日常生活の見直し

薬物療法や心理療法を行いながら、日常生活も工夫をして少しでも不安を軽くしましょう。

  • 十分な睡眠
  • 栄養バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 腹式呼吸
  • 趣味によるストレス解消

不安神経症は強い不安感をいだき、身体にも症状が現れてしまうため、日常生活に支障をきたします。不安を感じる対象がわかりにくいため、より不安や恐怖を感じ、行動範囲も狭まってきます。

しかし、不安神経症はしっかりと治療をすれば治りやすい病気と言われています。不安というものは誰にでもある感情ですので、生活に影響しない程度にコントロールしていきましょう。どうぞあきらめないでください。

心身症を治すために

心身症とは、心の問題が影響して身体の不調を引き起こす病気です。精神面の病気というイメージを持たれそうですが、実際に身体に症状が現れる病気で、身近に聞く病気も心身症の一つである可能性が十分にあります。

神経性胃炎頭痛胃潰瘍円形脱毛症など、ストレスが原因だろうなと想像しやすいものもありますが、ありとあらゆる病気が心身症である可能性はあります。

病名はついてもはっきりした原因がわからず、ストレスからではないかと思われる場合、心身症かもしれません。心身症であった場合は、身体の治療だけでは完治しません。心の問題を解決しなければなりません。

ストレスは誰にでもあります。そのため、ストレスによって引き起こされる心身症は誰にでも起こる可能性があります。ストレスをうまくコントロールして、心身症を回避したいものです。

ストレスを感じやすい性格の方やストレスの多い環境にいる方は、症状が出る前にストレス解消の方法を見つけましょう。

現在、悩んでいる病気や症状が心身症であるならば、心の治療をしてストレスを減少させることで治せる可能性があります。

心身症を治すためには、心身症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、心身症を治したい方のために、心身症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.心身症とは

心身症とは、心の問題が原因となって身体の不調を招く病気のことを言います。同じ病名でも原因が特定される場合と、ストレスが原因ではないかと言われる場合があります。ストレスが身体の不調を引き起こしている場合が心身症と言われるものです。

心身症とは、一つの病気を表しているのではなく、ストレスによって引き起こされる病気の総称です。

胃潰瘍や高血圧、頭痛などは、それぞれ消化器系、循環器系、神経系の疾患ですが、ストレスが原因で起こっているのであれば、それらは心身症というグループでもあるのです。原因がストレス以外のものである場合は、同じ病気でも心身症とは言いません。

心身症であるかどうかを判断するのは難しいのですが、身体症状だけを治療していてもなかなか治らなかったり再発を繰り返したりする場合は、心身症の可能性も考えられます。

心身症は、男性では3040代、女性では2030代に多く見られる傾向があります。仕事や家庭でストレスを感じやすい年代と言えます。もし、何らかの体調不良があって、原因がよくわからない場合は、心身症でないかチェックしてみましょう。

  • 症状が強いときと弱いときがある
  • 日ごろからストレスを感じているが発散できない
  • 性格上ストレスを感じやすい
  • 再発を繰り返している病気がある
  • 心身症の好発年齢である
  • 環境の変化があった

 

いずれかの状況にあり、身体に不調があれば心身症の可能性があります。複数の項目に該当する場合は、その確率が高くなります。

2.心身症の症状

心身症の症状はあらゆる領域に現れ、身体症状を示します。わかりやすいもので言えば、緊張やストレスで胃が痛くなるいわゆる「神経性胃炎」、周囲からもストレスだと指摘されやすい「十二指腸潰瘍」「過換気症候群」「円形脱毛症」などがあります。

他にもよく見られる病気として、「頭痛」「高血圧」「気管支ぜんそく」「アトピー性皮膚炎」「摂食障害」「頻尿」「自律神経失調症」「じんましん」などがあげられます。

身近な病気や症状が心身症である可能性は十分にあります。心身症の症状は一部の限定された部分だけに現れるのではなく、どのような症状が起こってもおかしくないのです。

心身症の症状は、ストレスによるものなので、症状が強いときと弱いときがあるなど、ムラがあります。

また、身体症状だけでなく、原因であるストレスを感じているはずですが、中にはストレスだと気づかない人もいるようです。ストレスに気づかない人は、身体の不調が心身症だと気づきにくいでしょう。治療を行っても症状がなかなか改善しない場合は心身症を疑ってみましょう。

他に心の問題が原因で起こる病気として、神経症があります。これは心身症と同じようにストレスなどが原因となっていますが、身体ではなく精神症状が現れるもので、心身症ではありません。

心身症と神経症の違いは、身体症状が現れるか精神症状が現れるかという点です。

3.心身症の原因

心身症の原因はストレスです。心身症は、環境の変化人間関係過労身近な人の死などによるストレスが原因となって起こります。ストレスは自律神経や免疫系、内分泌系に影響を与え、バランスを崩す原因となり、身体に不調が現れるのです。

心身症は、いつも他人に行動や意見を合わせてしまう人や、自分の気持ちをうまく表現できない人に発症しやすいということです。

また、完璧主義の人責任感の強い人が、なかなかうまくいかない現実に直面したときにそれがストレスとなり、心身症の原因となる可能性があります。

ストレスが原因となって心身症が起こると、そのことがまたストレスとなって心に影響します。そのストレスが心身症を引き起こす原因になるという悪循環となります。

このような悪循環を断つためには、ストレスになっているもともとの原因を知って対処しなければなりません。社会的要因が原因となっているのか、性格が原因となっているのか、客観的に見つめてみましょう。

4.心身症の治療

心身症の治療は、身体の面と心の面の両方から行う必要があります。身体の治療だけでは心身症は治せません。身体に実際に症状が現れているので、薬物治療などで症状を抑えながら、心の治療を行います。

心の問題を解決しないと、身体の症状がいったん治まっても、再発したり別の症状が現れたりする可能性があります。心の治療はゆったりと構え、根気良く続けましょう。自分をリラックスさせる必要があります。

心の治療としては次のようなものがあります。

1)薬物療法

抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入剤、漢方薬などで心の状態を改善していきます。

2)心理療法

さまざまな方法がありますが、経過を見ながら必要に応じていくつかの心理療法を組み合わせて行います。

認知行動療法

人付き合いの訓練や問題解決の訓練、悲観的な考えを修正する訓練などを通じて、自分自身で症状をコントロールできるようにします。

自律訓練法

リラックスした状態を自分で作る方法です。

作業療法

楽しい作業に集中している間は、症状のことを忘れ、気持ちを切り替えやすくなります。趣味やレクレーションなどを生活に取り入れましょう。

3)生活習慣の改善

日々のささいなことが積み重なってストレスとなっているかもしれません。生活を見直してみることも大切です。

  • 悩みを一人で抱え込まないで身近な人に相談する
  • 規則正しい生活をする
  • バランスの良い食事をとる
  • 飲酒を控える
  • 十分な睡眠をとる
  • 適度な運動をする

 

現代はストレス社会とも言われており、多くの方がストレスを感じていると考えられます。自分に厳しい方や完璧を求める方は、特にストレスを感じやすいでしょう。心身症は、ストレスが原因ですので、だれがなってもおかしくありません。

ストレスの強い状態を放置すると、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。日ごろからストレスを解消する方法を考えておきましょう。

心身症は、ストレスをコントロールして、しっかりと治療すれば改善することができる病気です。どうぞあきらめないでください。

起立性調節障害を治すために

起立性調節障害とは、思春期に多い病気とされます。何らかの原因で血圧が上がらず、朝起きる事が出来ない、吐き気、めまい、頭痛などの身体的症状が出ます。また、不安感、やる気が出ない、イライラするなどの精神的な症状が合わせて出やすくなります。

起立性調節障害の症状が強くなりますと、学校に行けなくなるなどの不登校の原因にもなります。実はこの症状でお悩みの方は非常に多くおられます。ただ、周りに起立性調節障害でお困りの方がおられない場合は、自分だけが特別なのではないかとお悩みになられます。

起立性調節障害は、病院でも原因不明・治らないと言われる事が多い病気です。このためお悩みの方が多くおられます。起立性調節障害は、原因を見つけ、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。

起立性調節障害を治すためには、起立性調節障害の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、起立性調節障害でお困りの方のために、起立性調節障害の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.起立性調節障害とは?

起立性調節障害とは、自律神経失調症の一種ではありますが、とくに年代が10歳から17歳ぐらいの成長期にある子供さんが発症する疾患です。朝、体がだるく起きることができず、体調の不良から遅刻や不登校になるケースが多くなります。

起立性調節障害という病気は、昭和30年代終わり、40年代頃から指摘され始めました。1年間で身長が10センチ以上も伸びるほど発達する時期に、割合としては1(全体の5%から10%未満)、男子よりも女子の方が発症しやすい傾向にあります。

当初は思春期の「甘え」「精神のたるみ」が原因といった見解から、厳しい叱責が与えられ、起立性調節障害の子供さんはつらい想いをしてきました。平成に入って以降、起立時の血圧異常を示すデータなど科学的根拠から、自律神経に係わる病気として扱われるようになりました。

自律神経は、交感神経と副交感神経が交互にバランスをとりながら、人間の体が活動しまたは休養するための体内システムです。起立性調節障害は、この自律神経の乱れに起因しています。なぜ起きるのか、そのメカニズムは解明されていませんが、著しい成長期の生理的な要因があるとの憶測があります。

2.起立性調節障害の症状

起立性調節障害は、自律神経の何らかの不具合によって起こる循環の調節障害の一つです。これは脳への血流や上半身への循環障害のために、日常生活が送れないものです。

寝ている状況から体を起こすと血液にも重みがあるため、下半身へ流れやすくなり心臓よりも高い位置にある上半身や脳に血流が行き渡りにくくなります。自律神経は、均等に血流が行き渡るように調節する役割があるのですが、起立性調節障害ではその調節がうまくいかなくなります。

それにより、立ちくらみ、脳貧血、めまい、といった血流の悪さからくる症状が出るのです。それ以外にも、強力な肩こりや偏頭痛なども症状としてあげられます。嘔吐や気分のイラつき、しびれや汗をかくなどの症状も伴い、頭痛の前触れとして視覚的に閃光(せんこう)が走るなどの特徴もあります。

起立性調節障害の最も特徴的な症状に、先述した「起床が困難」ということがあります。交感神経が目覚めて人間の体も活動を始めるのですが、そのスイッチがオンにならないのです。正常な場合から半日ほど活動期がずれてしまい夕方以降は元気になります。そのため、今度は休養するべき夜間には眠れないという悪循環に陥ります。

また私たちの体は、排尿により体内の塩分を排出するようになっています。通常、午前中から昼頃にトイレへ行く機会が多いのに対し、起立性調節障害の場合、夕方以降から夜間が多いという傾向もあります。

3.起立性調節障害の原因

起立性調節障害の原因は、実際にはよくわかっていません。しかし、自律神経のアンバランスということが何かしらの原因で起こっている状況です。そして、自律神経の不調により、血圧を一定に保つ調整ができないのです。

また、立ちくらみやめまいを引き起こす、平衡感覚の不調も起こります。しかし、これらが起きる直接の原因は、いくら検査をしてもわからないことが多いようです。

偏頭痛に関しては、近親者にも同じ病歴を持つ場合があると言われています。つまり、遺伝的要素が多少はあるということです。しかし、これも研究の途中であり、確かな原因とは言い切れないでしょう。

起立性調節障害には、まだ不明とされていることも多いのですが、原因として発症しやすい性格というのはあります。繊細で、周囲に対する気配りができる気質です。幼少期から育てやすかったという親御さんの意見からも、いわゆる「優等生・良い子」である傾向があるようです。

上記の性格と関連して、結果的にストレスをため込みやすいということがいえます。不調を感じても、「心配かけたくないから」と黙っているパターンから、症状が悪化していたということもありがちです。また優しい性格ゆえに、いじめの環境にさらされることも、ケースとしてはあります。

4.起立性調節障害の治療

起立性調節障害の治療は、早期の対応が必要となります。できれば子供さんの体調不良などの変化に周囲が気づき、積極的に検査・治療を受けさせると言った周囲のサポートが必要です。

血液検査、心電図やエックス線、CTやMRIなど、多角的に異常がないか検査をします。起立性調節障害そのものの検査というより、その影に重篤な別の病気が隠れていないかを探る消去法的な意味もあります。

起立性調節障害の症状が顕れた初期の段階で放置してしまうと、難治性になる傾向があります。偏頭痛や過敏性腸症候群、うつ病などと合併症を起こし、病状を長年に渡り引きずってしまうことになりかねません。

まずは、ご本人と家族への疾患に対する理解が大切です。特に、起立性調節障害でお困りのお子さんにとって、疾患により朝が起きられないという兆候を、怠惰などだと考えてお子さんに強く当たる傾向が多く、さらに心を閉ざしてしまうということもあります。

起立性調節障害でお困りのお子さんの日常生活における対処法としては、1)夜更かしを避ける、2)長時間立位を続けない、3)起立に際して頭部の動きを少なくするようにする、4)水分をしっかりと取る、など、症状に応じて適切な生活指導が必要です。

生活指導での改善が見られない時には、薬物療法を試みますが、大きな効力は期待できないと言われています。最も重要なことは、両親や家族、学校の先生など周囲の大人が連携をとって、不安になっている子供さんの気持ちに寄り添うことが大切です。精神的なサポートをしてあげることで子供さんのストレスを軽減することが可能です。

起立性調節障害の症状は、軽症例ですと、23ヶ月で改善するとされていますが、長期になりますと社会復帰に時間も要するため、23年ほどかかることもあると言われています。

起立性調節障害は、自律神経との関連が深い病気です。投薬や日常生活の改善などの対処法により、自律神経のバランスを正すことができます。そのことにより、起立性調節障害の症状が改善する事が多くあります。

また、早期の対応と治療が重要な疾患であり、長引かせないためにも異常に周囲が気づいてあげることも大切です。起立性調節障害は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。

口腔内セネストパチーを治すために

口腔内セネストパチーは、口のなかに何らかの異常不快感を感じる症状ですが、見た目などには異常がないものの訴えが強く、症状の名前であるセネストパチーとは体が感じるさまざまな幻覚や異常を表すものであり、精神疾患のひとつと分類されます。

セネストパチーはとくに口腔に関して症状を訴えるケースが多く、その場合を口腔内セネストパチーと分類します。セネストパチーは50代前後に発症、上半身から始まることが多く、口の中の症状を訴えることが多いと言われています。

原因については精神疾患の一部と考えられ、訴えは他人には理解し難く、歯科や麻酔科などさまざまな診療科にかかる方も多く見られます。治療に関しても、症状によっては効果を示すものもありますが、難治性のものが多くお困りの方にとっては大変苦痛なものです。

治療法に関しても精神的なアプローチが重要ですが、確立されたものはなくカウンセリングや、投薬などが主なものとなります。またこれ以上悪化しないように経過観察することが重要となります。

口腔内セネストパチーを治すためには、口腔内セネストパチーの症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、口腔内セネストパチーを治したい方のために、口腔内セネストパチーの症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.口腔内セネストパチーとは

口腔内セネストパチーとは、歯や歯ぐき、舌やのどの奥など口腔内に関する異常や不快感を症状とする疾患です。

セネストパチーは本来、精神科や心療内科などの分野であつかわれます。どの部位にも出現する可能性はありますが、口腔内または上半身で症状を訴える方が多いといいます。

一般的には50代前後で発症することが多く、抜歯や噛み合わせの調整などの治療後に起こることが多いとされています。不快感を訴えられますが、他人には理解しがたい訴えであることも多く、ストレスを感じられる方が多くいらっしゃいます。

口腔内セネストパチーでお悩みの方は、たいてい歯科医院や耳鼻咽喉科など症状があらわれた部位の専門医院を受診します。問診の際に訴えられる口腔内の違和感をもとに、さまざまな検査を施します。しかし結果は「まったく異常なし」ということがほとんどです。

現実的に、口腔内セネストパチーの症状で苦しんでいる患者様は釈然とせず、周囲に理解されないことが気持ちの上で負担になります。受診した医療機関によっては、口腔内セネストパチーという病名が判明するまでに時間がかかる可能性もあります。

2.口腔内セネストパチーの症状

口腔内セネストパチーの症状は、「虫歯による激しい疼き」や「喉が炎症をおこして痛む」といった明確なものではありません。やや抽象的な感覚で「不快感」に類するものであるといえます。

症状については、各々さまざまな言い方をされますが、歯が浮いた感じがする、異物で口の中がいっぱいになっている、歯ぐきがどろどろと溶けてくる、舌が勝手にねじれる、といった奇妙な表現です。苦いものが出てくるといった、味覚障害が症状のこともあるようです。

奇妙な症状を執拗に訴えるために精神科への受診を促されることもありますが、拒否される方も多くおられます。

症状は幻覚のような訴えですが、口腔内セネストパチーでお悩みの方からすれば、実態はなくても知覚的には体感していることに違いはありません。何かが口腔内に刺激を与えているはずなので、それを取り除いてほしいのです。

3.口腔内セネストパチーの原因

口腔内セネストパチーの原因は、先に述べましたように精神的な要素が関係しています。決して、口腔内に生じる通常の疾患が原因ではないのです。ただ、抜歯や噛み合わせの調整などの歯科治療の不適合などが、発症のきっかけとなっているケースもあります。

口腔内に限らず、広い意味でセネストパチー(体が感じる幻覚)の症状が出る疾患を考えてみますと、うつ状態やてんかん、老人性うつや認知症、統合失調症などがあげられます。複数の要因が重なっていることもあり、その場合は原因の特定がむずかしくもなります。

しかし一部の方には、高血圧や動脈硬化、脳室拡大や脳萎縮などの身体症状を伴うものもあります。発症しやすい年齢は50歳代以上が多く、身近な人の死や先行きの老いに対する不安、対人関係の悩みなど、不安障害や自律神経の乱れなどが原因のひとつとなります。

また更年期障害や、別の疾患で悩んでいるところに、不安定要素が追加されることで発症することも考えられます。発病は徐々に起こり、慢性の経過を取り、うつ病のように、うつと躁を繰り返すこともあります。

本来の気質も口腔内セネストパチーの発症にかかわっています。神経質である、何事も完璧にできないと気がすまない、細かいことにこだわる、といった方は、確率として発症する可能性が高くなります。

4.口腔内セネストパチーの治療

口腔内セネストパチーの治療は、不快感を訴えている部位に問題がないか詳しく検査をする必要があります。口腔内セネストパチーそのものが発症していると最初から断言できるわけではないのです。別の疾患である可能性を、全て否定できるか調べることが先決です。

例えば歯の治療がうまくいかなかったことが要因のひとつであれば、満足できる歯の治療を完結させることが肝心です。その上で、精神的にかかえているものを解決していくことになります。

有効な治療法としては臨床心理士や精神科の医師によるカウンセリングなどが主なものとなります。口腔内セネストパチーでは、口腔内の症状も診断でき、なおかつ精神科の専門家もいるという医療機関が最も適しているといえます。

もしくは口腔内の治療を行う歯科や口腔外科と精神科、臨床心理士、心療内科などが密に連携を取れるシステムが必要となります。

精神疾患では、傷が目に見えるわけではなく、治療が長期化することもしばしばです。そのため上手に付き合っていくことが重要となり、抗うつ剤や、安定剤、睡眠導入薬など、精神科で処方される薬物を処方されることもあります。症状によってはマウスピースも合わせて処方する場合もあります。

これらの治療に関しては、一次的に効果が見られることがあっても、難治性のことが多いため定期的な受診により悪化を防ぐこと、いち早く悪化に気づき、治療を進めることが大切だと言えるでしょう。

口腔内セネストパチーでは、気持ちの折り合いがつけば症状は軽くなります。また環境に問題があるのなら、意図的に変える方法もあるでしょう。ストレスは受け入れる(考え方を変える)か、取り除くか遠ざけるなどして減らしていくことを試みます。

口腔内セネストパチーの症状は他人に理解されにくいために、家族とトラブルになってしまうケースもあります。しかし孤立してしまうと症状はさらに悪化する可能性がありますので、周りの方の理解も必要です。重症度はわかりにくのですが、決して治らない疾患ではありません。

日常生活を見直す、軽い運動を取り入れたりすることでストレスを回避する、ストレスを受け入れるなど心が穏やかになるための工夫を、日常生活の中に取りいれるだけで、症状が良くなることも考えられます。どうぞあきらめないでください。

口腔内乾燥症を治すために

口腔内乾燥症は、唾液の分泌量が減ることにより口腔内が渇く症状で、別の呼び名をドライマウスといいます。唾液には重要な役割がいくつもあり、きちんと分泌されなくなると、さまざまな困った状況を引き起こします。

全身性の疾患や神経または薬物によるもの、唾液を作る唾液腺がうまく働かないなどが原因となります。また年齢を重ねると、唾液が減ってくる傾向はあります。他にも塩分の多い食べ物を食べたあとは、喉が渇くといった経験は誰しもあるでしょう。

しかし口腔内乾燥症は、そのようなレベルを超えて口腔内にトラブルを引き起こします。例えば、口の中の痛みや味覚障害、飲み込みにくさなどを生じます。

口腔内乾燥症は、原因に対する薬物の投与や調整、または人工唾液など症状に対する対処療法、日常生活上での対処と口腔内の衛生管理などが主な治療・対処法となります。

口腔内乾燥症を治すためには、口腔内乾燥症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、口腔内乾燥症を治したい方のために、口腔内乾燥症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.口腔内乾燥症とは

口腔内乾燥症とは、唾液量が減少し口腔内が乾燥する疾患です。様々な理由により唾液が分泌されにくくなり、口の中の渇きを感じます。

唾液は大唾液腺、小唾液腺といった複数の分泌腺から、少しずつ出されています。通常ですと、1日で合計1リットル以上の唾液が分泌されています。唾液には、いくつもの重要な役目があります。次にご紹介しましょう。

◆唾液のもつ役割

  • 食べ物の咀嚼(そしゃく)や飲み下しを助ける
  • 口腔内の粘膜を保護する
  • 消化を助ける
  • 口腔内を洗浄する、細菌の繁殖を抑える
  • 酸化した口腔内を中和させる

上記のような働きがあることから、唾液の分泌量が減少してしまうことは、口の中の乾燥だけでなく、痛みや味覚障害などのさまざまな支障が生じることになります。もし、口腔内の感想でお困りの様なら医師に相談するようにしましょう。

2.口腔内乾燥症の症状

口腔内乾燥症の症状は、唾液の分泌量が減ることから起こります。口腔内に違和感がある軽い症状から、重症化していくと別の疾患を発症することにもなります。

口腔内乾燥症の症状には様々なものがありますが、大きく分類すると以下の3つに分けられます。

1)口腔内の異常

口の中に渇きを覚えることから、夜中に目を覚ます話をしにくくなる、などの影響が出てきます。また、口腔内にねばつきを感じ、口臭が起こります。舌も乾燥しますので、ひび割れが生じて痛みを感じるようになります

食事の際に味覚が鈍くなったり、飲み込みがスムーズにいかないことから嚥下障害(えんげしょうがい)を起こしやすくなります。ご高齢の方にとって嚥下障害は、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)から肺炎につながる可能性があり注意が必要です。

2)虫歯や歯周病への影響

口腔内乾燥症の症状があらわれると、抗菌作用が充分でなくなることから、虫歯や歯周病に対するリスクが高くなります。食事のあと、口の中は酸性になります。口腔内乾燥症では、中和させてくれる唾液量が少ないので虫歯になりやすくなります。

他にも唾液の量が充分でないと、本来なら飲み込まれるべき食べ物の残りカスが、歯と歯ぐきの間に多く残留するため、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

3)菌に感染しやすくなる

口腔内乾燥症では唾液が少なくなるため、菌に対する抵抗力も落ちてくるため、口腔カンジタ症などにかかりやすくなります。カンジタ菌とは珍しい菌ではなく、常に口腔内に存在しているものですが、抵抗力が落ちると感染しやすくなるのです。

口腔内だけでなく、カンジタ性の口角炎も症状のひとつです。口角が乾燥してひび割れができますと、食事や会話などで口を開け閉めするたびに痛みが走ります。日常的によく動かす部位ですので、治癒するには時間を要することになります。

3.口腔内乾燥症の原因

口腔内乾燥症の原因は、直接的なものから自覚しにくいものまで、いくつかあります。先述の通り、加齢にともない唾液の分泌量が減っていくのが原因のひとつです。それ以外でも下記の原因が考えられます。

1)口呼吸の影響

鼻からでなく、口を開けて呼吸すると唾液が外気に触れ蒸発し、口の中は乾燥します。あえて口呼吸をしなければならない背景には、習慣、耳鼻咽喉系の疾患をかかえているケースがあります。アレルギー性の鼻炎や副鼻腔炎(ふくびくうえん)、かぜによる鼻づまりなどです。

単に口呼吸をするのがクセで、習慣となっているのであれば、鼻呼吸をするよう改善するのが得策です。ただ、ご自分では気づかないことが多いので、身近な方に聞き、指摘してもらうとよいでしょう。

2)薬剤の副作用

口腔内の乾燥を副作用とする薬剤があります。薬による副作用の場合には、薬の効能などを考慮し調整してもらう必要があります。担当の医師と相談しましょう。

3)自律神経の不調

ストレスなどで、自律神経の乱れなどが起こると、交感神経が過剰に働き唾液の分泌量が減ることがあります。

4)シェーグレン症候群の症状として

自己免疫疾患のひとつであるシェーグレン症候群には、特徴として粘膜を乾燥させる症状があります。乾燥する部位は口腔内に限らず、鼻や喉、気管支、眼球内の角膜などと広範囲におよびます。

4.口腔内乾燥症の治療

口腔内乾燥症の治療は、何が原因となっているかで方法は異なります。原因疾患を根本的に治療するのがひとつの方法です。他方で、口腔内の乾燥している状態を緩和する対処療法や、ご自分でできる対策や予防法があります

1)こまめな水分補給

渇きを感じてからではなく、そうなる前に水分を補給することが大切です。一度にたくさんの量を飲むのでなく、少量ずつこまめに摂取するのが良いでしょう

身体を冷やさないよう、暑い日でも常温の水をとるのが得策です。

2)リップクリーム、リップジェル

乾くのは喉や口の中だけではありません。口角やくちびるが乾燥するのを防ぐには、リップクリームが有効です。無着色で無香料のワセリン、口の中に入っても気にならない天然成分のものを選ぶとよいでしょう

3)人工唾液、口腔保湿剤

シェーグレン症候群、放射線治療の影響によるドライマウスには、人工唾液や保湿剤が適用されます。液体タイプや使いやすいスプレータイプなど、選択することができます。唾液の分泌が減る食間に使用するのが効果的です

4)うがい薬

一般的なオーラルケア商品はドラッグストアでも販売されていますが、口腔内乾燥症と診断された場合、専門の医師に処方してもらいましょう。

うがい薬の目的は、口腔内を清潔に保つこと、細菌の繁殖を抑え感染症を予防する、口腔内の不快感を取り除くことなどです。

5)口腔機能の訓練

舌の運動や食事の際に咀嚼(そしゃく)の回数を増やすことが、唾液分泌を促進することにもなります。あごや頬、くちびる、口角などを運動させることにより、口まわりの筋肉や骨格を鍛えることで、口腔機能の向上を促します。

6)生活習慣の見直し

口腔内乾燥症は、日頃から塩分をとりすぎない、水分をきちんと摂るなど、手軽にできる予防法もあります。また唾液の分泌を促すような食品、梅干しやガム、レモン、酢を用いた食品などを積極的に取り、刺激物の摂取などは避ける様にしましょう。

口腔内感想症は様々な原因が影響して起こるものです。薬剤の影響などは医師との相談と薬剤コントロールにより軽減されることもありますが、加齢や筋力の低下、様々な疾患によって起こることも多く、原因となる病気によって異なった対処が必要となります。

またその症状は、単に乾いているというだけでなく、話しにくさや食事の嚥下機能にまで及びます。口腔内感想症でお困りの方にとっては、薬や症状に対する人工唾液なども有効ですが、生活習慣を見直すことで症状が軽くなることもあります。どうぞあきらめないでください。

自律神経失調症を治すために

自律神経失調症とは、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れることにより、心や体に異常が現れる病気です。

自律神経は、私達が意識せずともその時に一番良い状態へと体を導いてくれる神経です。この行動は24時間休まず続き、お互いバランスを取りながら働いています。とても賢い自律神経ですが、ちょっとしたきっかけでこのバランスが乱れてしまうことがあります。

自律神経が乱れると、イライラしたり眠れなくなったりなど、いわゆる「不定愁訴」と言われる症状が現れます。この症状には個人差があり、軽い方から日常生活に支障をきたす方までいろいろです。

自律神経失調症を治すためには、自律神経失調症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、自律神経失調症を治したい方のために、自律神経失調症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.自律神経失調症とは? 

自律神経失調症とは、自律神経が乱れることでいろいろな不調が現れる病気です。

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、この2つの神経がバランスを取り合うことで体調を安定させています。

自律神経の特徴

  • 交感神経:興奮や緊張を司る
  • 副交感神経:リラックスを司る

本来であれば、日中は元気に活動できるように交感神経が優位になり、夜はゆっくり休めるように副交感神経が優位になります。しかし、ストレスや疲労などの様々な要因が引き金となり、このバランスが崩れてしまうことがあります。そして、そんな状態が続くといろいろな不調が現れ始めてしまうのです。

「自律神経失調症」という言葉は、正式な病名ではありません。自律神経失調症では原因がはっきりしないことも多いのですが、お困りの症状が自律神経機能の乱れにより生じていると予想されたときに選択される病態の総称です。

2.自律神経失調症の症状

自律神経失調症の症状は、身体的・精神的に様々です。症状の現れ方にも個人差があり、症状の強弱・現れる部位・期間などは人それぞれ異なります。

自律神経はいろいろな臓器に影響を及ぼしているため、自律神経失調症で現れる症状は多種多様です。現れる症状は1つのこともあれば複数のときもあり、1つ治っても新しい症状が新たに出現することもあります。

(1)自律神経失調症の身体的症状

  • 眠れない
  • 冷や汗がでる
  • 耳鳴りがする
  • からだがだるい
  • お腹の調子が悪くなる(下痢・便秘)
  • めまい・立ちくらみなどが起きる

(2)自律神経失調症の精神的症状

  • イライラする
  • 情緒不安定になる
  • やる気が出ない
  • 憂鬱な気持ちがつづく
  • 人に会いたくない

 

自律神経失調症の症状は、日常生活で誰しもが経験するような症状ばかりです。そのため、体に異変を感じてもそのままにして悪化してしまうことがあります。症状が軽くても自己判断で放置することはとても危険です。他の病気の可能性もあるため、異変を感じたら一度は医療機関を受診しましょう。

3.自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因になりやすいものには、以下のようなものが挙げられます。

(1)ストレス

人間関係(精神的ストレス)や疲労(身体的ストレス)など、私達の周りにはストレスのもととなるものが溢れています。どのようなストレスであれ、蓄積することで自律神経が乱れやすくなります。

(2)不規則な生活習慣

夜更かしや偏食など、生活習慣が乱れると自律神経も乱れやすくなります。

(3)環境の変化

季節の変わり目や引っ越しなど、慣れない環境下では自律神経が乱れやすくなります。

(4)ホルモンバランスの乱れ

女性は、月経・妊娠・閉経など体の状態に合わせて女性ホルモンの影響を強く受けます。女性ホルモンの乱れは自律神経にも影響を与え、自律神経が乱れやすくなります。

自律神経失調症は、1つの原因で発症することもあればいくつもの要因が重なって発症する場合もあります。心と体に負担がかからないように心がけることが大切です。

4.自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療は、薬物療法が中心となります。しかし、この薬物療法は症状を和らげるための治療であり対処療法です。何らかのストレスが原因とわかっているときは、心理療法を行うことで病気そのものが良くなる可能性があります。

(1)薬物療法

つらい症状を和らげるために、症状に合わせた薬が処方されます。

  • お腹の調子が悪いとき→整腸剤
  • 眠れないとき→睡眠導入剤
  • 不安が強いとき→抗不安薬

(2)心理療法(認知行動療法・カウンセリングなど)

不安や悩みなど自分の内面と向き合うことで、心理面でのストレスを取り除いたりコントロールしたりする方法を身につけます。

薬物療法と心理療法以外にも、自律神経失調症の治療法にはいくつかの選択肢があります。

  • 東洋医学(鍼灸治療・漢方薬など)
  • 理学療法(マッサージ・運動療法など)

 

特に鍼灸治療は、交感神経と副交感神経のバランスを整える効果が高いと言われています。薬を使わず、副作用のない自律神経失調症の治療として大きな注目を集めています。

自律神経失調症は、ストレスとの関連が深い病気です。ストレスと上手に向き合う事により、自律神経失調症の症状が改善する事が多くあります。自律神経失調症は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。

更年期障害を治すために

更年期障害とは、「更年期」と言われる期間にいろいろな不調が現れる病気です。男性・女性ともになる可能性がありますが、閉経前後の女性に多い傾向があります。主な原因は、男性女性ともに性ホルモンの低下です。

更年期障害では、イライラする・顔がほてる・眠れないなど、日常生活で起きがちな不快な症状がいくつも現れます。これらはそれぞれの症状で原因を探しても何も見つからない「不定愁訴」と呼ばれる症状です。不定愁訴は、本人のつらさを周囲にわかってもらいにくいため、一人でお悩みの方も多いと予想されます。

しかし、更年期障害の治療は少し長くかかる可能性があります。ご家族の理解を得て協力してもらうことが、更年期障害を乗り切るためにはとても重要といえます。

更年期障害を治すためには、更年期障害の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、更年期障害を治したい方のために、更年期障害の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.更年期障害とは? 

更年期障害とは、性ホルモンが急激に減少することでいろいろな症状が引き起こされる病気です。

今までは女性特有の病気と思われていましたが、最近では男性にも起きる可能性があることがわかり、研究が進められています。

更年期障害の症状が出やすい年齢は、男性が5060歳、女性は4555歳です。この期間を「更年期」と呼びますが、更年期に当てはまる人すべてに同じような症状が現れるわけではありません。

更年期に現れる不調を「更年期症状」と呼び、そのなかでも日常生活に支障をきたすほどの状態を「更年期障害」と定義します。更年期障害の程度には個人差があり、その人の性格や精神的なストレスも現れる症状に大きく影響していると考えられています。

更年期に不調が現れても、自分が更年期障害だと思い込むことは危険です。甲状腺機能異常やうつ病など、更年期障害とよく似た症状を示す病気の可能性もあるため、異変を感じたら医療機関を受診してみてもらいましょう。

2.更年期障害の症状

更年期障害の症状は、大きく3つに分類することができます。

(1)更年期障害の血管運動神経症状

  • 動悸・息切れがある
  • めまいが起きる
  • ホットフラッシュ(突然起きるほてりやのぼせ)
  • 汗が異常に出る
  • 体が冷える

(2)更年期障害の精神神経症状

  • イライラする
  • 眠れない
  • 情緒不安定になる
  • 憂鬱な気持ちが続く
  • やる気がでない

(3)更年期障害のその他の症状

  • のどが渇く
  • 食欲がなくなる
  • お腹の調子が悪い(下痢・便秘)
  • 肩こり・腰痛

これらの症状は不定愁訴と言われるものが多く、症状も多岐にわたります。不定愁訴とは、「なんとなく体調が悪い」という自覚はあるものの、医療機関を受診しても原因がはっきりしない少し困った症状です。

3.更年期障害の原因

更年期障害の原因は、性ホルモンの低下と考えられています。女性は年齢を重ねると、卵巣の機能が低下していきます。

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは卵巣で作られているため、卵巣の機能が低下するとエストロゲンの分泌も減少していきます。

エストロゲンの減少が更年期障害を招く理由は2つあります。

(1)脳からの過剰命令

エストロゲンは、脳の視床下部(ししょうかぶ)から指令を受けて卵巣で作られます。卵巣の機能が低下してエストロゲンの分泌が減少すると、その状態を察知した視床下部は、卵巣に対して「足りないからもっと作って」と指令を出します。

しかし、卵巣はこの指令に答えることができずエストロゲンが増えることはありません。視床下部は「作って!作って!」と何度も指令を出すうちにパニックに陥ります。視床下部は自律神経の調節も行っている場所なので、視床下部がパニックを起こすと自律神経もその影響を受け乱れてしまい、その結果いろいろな症状が引き起こされます。

(2)エストロゲンの減少に体が対応できない

エストロゲンは、生殖以外にも体のいろいろな部分に働きかけて体のバランスを保っています。そのため、エストロゲンの減少は様々な部位での不調につながる恐れがあります。

4.更年期障害の治療

更年期障害の治療は、主に婦人科で行われます。更年期障害の治療法には、いくつかの選択肢があります。

  • ホルモン補充療法
  • 漢方薬・薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)など

(1)ホルモン補充療法

不足している女性ホルモンを補充することで、更年期障害の症状を改善します。

(2)鍼灸治療

鍼灸治療では自律神経のバランスを整えて、薬を使わず、副作用のない更年期障害の治療として大きなメリットがあります。

(3)薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)

更年期世代の女性は、仕事や家庭での役割分担が多く、体だけでなく心が疲れているケースが多くあります。そういう場合に、こころの負担を軽くするための薬が処方されます。

(4)心理療法(カウンセリングなど)

心の問題と向き合い、解決する方法や考え方を身につけます。

更年期障害は、性ホルモンやストレスとの関連が深い病気です。生活習慣を整え心穏やかに過ごすことにより、更年期障害の症状が改善する事が多くあります。更年期障害は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。