むずむず脚症候群とは、なんだか脚がむずむずしたり、脚がほてったり、何かを脚が這っている感じがしたり、かきむしりたい感じがするような不快感を感じる病気で、主に脚に症状がみられます。むずむず脚症候群は別名、レストレスレッグス症候群と言われます。 

むずむず脚症候群の診断基準には4つの特徴的な症状があり、これらの症状に心当たりがある場合はむずむず症候群の可能性があります。 

この4つの特徴的な症状とは、「脚に不快感や違和感があり、脚を動かしたくなる」「安静にして、座ったり横になったりしているときに症状があらわれたり、強くなったりする」「脚の不快感や違和感は脚を動かすことによって改善する」「夕方や夜に脚の不快感が強くなる」というような症状です。 

これらの症状は夕方や夜に起こることが多く、寝付けない、寝不足になるなどの不都合を生じます。女性に多くみられ、妊娠中や60代以降の高齢者にもよくみられます。 

むずむず脚症候群でお悩みの方は日本ではまだ24%と少数であり、むずむず脚症候群そのものも広く認知されていません。よって、このような症状でお悩みの方は周りに理解してもらえず、正しい診断や治療を受けられていない可能性もあります。 

このページでは、むずむず脚症候群でお悩みの方のために、むずむず脚症候群の治療方法やむずむず脚症候群を治すためにできることについて詳しくご説明致します。 

1.むずむず脚症候群とは

むずむず脚症候群とは、夕方や夜間に足がむずむずして眠れないと言った症状を引き起こす不快感の訴えが主な病気です。原因はまだよくわかっていませんが、脳の中の神経の伝達物質であるドーパミンが関係しているのではないかと言われています。

女性と高齢者に多く、妊娠中の女性、60代以降の女性に多くみられる傾向があります。就寝時に強く症状が出ることが多く、脚がそわそわして眠れない、足を動かしたい衝動にかられるなどの不快感があります。

そのためむずむず脚症候群でお困りの方は、不眠障害を主に訴えられます。また、あまり知られていないことから、診断に時間を要し、幾つもの医師や診療科にかかられるケースも多いと言われています。

むずむず脚症候群の治療法は、生活の改善や工夫などの非薬物療法ドーパミンを補う薬もしくは抗てんかん薬などを使用する方法、鉄分不足の場合には鉄の補充3つがあります。

2.むずむず脚症候群の症状

むずむず脚症候群の主な症状は、脚がむずむずする、虫が這っているような感覚がある、足が火照る、熱く感じる・ピリピリする、足が痛い、また冷えるなどです。むずむず脚症候群という名前ですが、症状は足だけではなくてなど体の他の部分にも出現することがあります。

むずむず脚症候群でお困りの方の3分の1は週2回以上、中等度以上の症状が起こると言われており、日常生活に大きな支障をきたします。

また、これらの症状は入眠時や静かに横になっていたり、座ったりしている時に症状が現れます。日中より、夜間や入眠時にかけて症状が強まり、年齢とともに増加し、歩いたり、足を動かしたりすることでこれらの症状が軽減されます。

3.むずむず脚症候群の原因

むずむず脚症候群の原因は残念ながら、よくわかっていません。しかし、むずむず脚症候群は、人の脳内にあるドーパミンという物質が関係しているのではないかといわれており、ドーパミンが十分に働かないときにむずむず症候群の症状を引き起こすと考えられています。

女性であれば月経や妊娠による血中の鉄分が不足、鉄欠乏性貧血でお困りの方にもしばしば症状がみられることが明らかになっています。また人工透析を受けておられる方にも起こりやすい症状であると言われています。

他にも糖尿病やリウマチ、パーキンソン病などもむずむず脚症候群を引き起こすことがあります。その場合原因となる病気を治療することで、むずむず脚症候群の症状が改善することもあります。

また患者さんの約半数に、家族歴があるため遺伝的な要素も関係しているのではないかと言われています。

4.むずむず脚症候群の治療方法

むずむず脚症候群の治療には薬物療法や日常生活の見直しなどの対処法があります。

薬物、日常生活嬢の対処法について、2つに分けてお話ししましょう。

1)薬を使用したむずむず脚症候群の治療方法

薬物治療の一つとしてドーパミン神経の働きを補助するようなお薬が選択されます。現在、日本では、貼り薬と飲み薬2つのタイプが承認され、処方されています。

その他、ドーパミン系以外の薬物治療として、抗てんかん薬などの脳内の神経の興奮を抑制して、脚に感じる不快感などの異常な感覚を抑える働きのある薬を服用する治療方法があります。

しかしドーパミン製剤は、長期にわたり服用すると効きにくくなる、また症状が悪化したような印象を持たれがちですが、自己中断や減量などはせず医師によく相談しましょう。

むずむず脚症候群の原因が鉄分不足の場合、妊娠や生理によるものの際には、サプリメントや鉄剤などを内服すると症状が軽減することもあります。

2)日常生活での対処法

むずむず脚症候群でお悩みの方のなかには、生活習慣などを改善することで、むずむず症候群の症状が緩和したという方もたくさんいます。次にあげる生活習慣の改善や見直しがむずむず脚症候群の症状を改善する可能性があるとされています。

・カフェインの摂取を控える

カフェインには、むずむず症候群の症状を悪化させる可能性があると考えられています。これはカフェインが神経を過剰に興奮させたり、鉄分の吸収を妨げたりする働きがあるからです。特に夕方以降のカフェイン摂取は不眠の原因でもあり、むずむず脚症候群の症状を助長させます。

・アルコールの摂取を控える

アルコールもむずむず症候群の症状を悪化させると言われています。症状がひどく、寝付けない日にはお酒を飲んで寝つきを良くしようと考える方もいるかもしれませんが、アルコールを摂取することにより、症状がさらに悪化して眠れなくなることもあるので注意しましょう。

禁煙

過度の喫煙もむずむず脚症候群の症状を悪化させます。禁煙も症状を軽くするために重要な要素です。

・規則正しい十分な睡眠をとること

むずむず脚症候群の方は、その症状の不快感から睡眠の質や量が低下する傾向があります。睡眠の質や量が低下してしまうと、さらに脚の不快感は強まり、悪循環を招いてしまうので、十分に安定した睡眠がとれるように心がけましょう。

そのために、寝る前に軽い運動やマッサージなどでリラックスすることはとても効果的です。しかし過度な運動は逆に睡眠を妨げるので、気をつけましょう。

むずむず脚症候群は不快感が足に現れるもので、足を動かしたい衝動にかられることから、夜間の不眠に悩まされる方が多くいらっしゃいます。そのため日中、日常生活に大きな影響を及ぼします。

むずむず脚症候群でお困りの方にとって、周囲の人に症状が理解してもらえないことが多く、ストレスが溜まり症状が悪化するという悪循環を生じます。また、一人で悩んでおられる方もいます。

むずむず脚症候群を治すためにはまずは日常生活の改善など、できることからはじめてみてはいかがでしょうか。もちろん。むずむず脚症候群は薬を使用した治療法もありますどうぞ、お一人で悩まないでください。