テニス肘・ゴルフ肘とは、その名のとおり、テニスやゴルフをされる方に多く見られる肘関節の病気です。テニス肘は腕の外側、ゴルフ肘は腕の内側に痛みを感じます。

テニス肘・ゴルフ肘といっても、テニスやゴルフ以外のスポーツや作業が原因となっている場合もあります。テニスのプレーヤーがゴルフ肘を発症することもあるのです。

テニス肘・ゴルフ肘は、腕の使いすぎや無理な動きによって負担がかかることが原因となって起こるもので、腕の外側に起こるものをテニス肘、内側に起こるものをゴルフ肘と言います。

テニス肘・ゴルフ肘になると、テニスやゴルフのプレーだけでなく、日ごろ無意識に行っている簡単な動作でも痛みを感じるようになります。好きなスポーツを中断したり、仕事に支障が出たりとさまざまな影響が出てきます。

今までできていたことが痛みのためにできなくなることは、ご本人にとって悔しいことでしょう。しかし、テニス肘・ゴルフ肘は、安静と適切な治療で治すことができます。また、予防対策もあります。

テニス肘・ゴルフ肘を治すためには、テニス肘・ゴルフ肘の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、テニス肘・ゴルフ肘を治したい方のために、テニス肘・ゴルフ肘の症状・原因・治療について詳しく説明しております。

1.テニス肘・ゴルフ肘とは

テニス肘・ゴルフ肘とは、肘関節の病気です。腕の使いすぎや負荷のかけすぎによって、上顆(じょうか:肘の外側あるいは内側の骨の隆起部分)に付いている筋肉が損傷し、肘から前腕にかけて痛みを生じます。

肩から肘までを上腕、肘から手首までを前腕と言います。外側上顆には手首を甲側に反らす筋肉が付いています。内側上顆には手首を手のひら側に曲げる筋肉が付いています。

テニス肘・ゴルフ肘は、テニスやゴルフをする人によく見られるため、このように呼ばれていますが、正式な病名があります。

  • テニス肘:上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)
  • ゴルフ肘:上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)

テニス肘は、手首を甲側に反らすと、肘から前腕の外側にかけて痛みがあります。テニス肘はテニスの練習のしすぎで発症することが多いのですが、テニス以外にも腕を酷使するようなスポーツや作業でも発症します。30代後半~50代の方に多く見られるということです。

ゴルフ肘は、手首を手のひら側に曲げると、肘から前腕の内側に痛みがあります。これもやはり、ゴルフだけでなく野球ややり投げなどのスポーツ、手をよく使う作業などでも発症します。

2.テニス肘・ゴルフ肘の症状

テニス肘・ゴルフ肘の症状は、物を持ち上げたり、手に力を入れたりしたときに痛みが生じることです。

テニス肘では手を甲側に反らしたとき肘から前腕の外側が痛み、ゴルフ肘では手を手のひら側に曲げたときに肘から前腕の内側が痛みます。

テニス肘・ゴルフ肘になると、テニスやゴルフのプレーをするときはもちろん痛みます。一般的に安静時には痛みを感じないようです。

タオルを絞ったり、ドアノブを回したりすることは何気ない日常の動作ですが、テニス肘・ゴルフ肘になると、このようなことでも痛みが走り、簡単にはできなくなります。

テニス肘・ゴルフ肘の症状の程度はさまざまですが、軽い痛みだからそのうち治るだろうと放置しておくと、症状が悪化することがあります。どのような動きをしたときに痛むのか、腕の外側が痛むのか内側が痛むのかを知って早めに対処することが大切です。

3.テニス肘・ゴルフ肘の原因

テニス肘・ゴルフ肘の原因は、腕の使いすぎや負荷のかけすぎです。そのことにより、手を曲げたり伸ばしたりする筋肉に障害が生じているのです。

テニス肘・ゴルフ肘という名前のとおり、テニスやゴルフがこの症状の原因となっていることが多いのですが、他に手や腕を酷使する作業も原因となりえます。

(1)テニス肘の原因

  • テニスのバックハンドストローク
  • テニスラケットのガットを強く張りすぎている
  • テニスでボールを打つタイミングが合っていない
  • 長時間のパソコン入力
  • 肩や前腕の筋肉が弱い
  • 介護などの力作業

(2)ゴルフ肘の原因

  • ゴルフの打ち方が悪い
  • 野球のピッチング
  • やり投げ
  • テニスで強いサーブを打つ
  • タイピング

このように、さまざまな動きが腕や手首に負担をかける原因となりえます。治療を受けて治ったあとも、原因となった動きにきちんと対処しなければ再発する可能性があります。何が原因でテニス肘・ゴルフ肘を発症したかを知ることが大切です。

4.テニス肘・ゴルフ肘の治療

テニス肘・ゴルフ肘の治療を開始するためには、まず診断が必要です。テニス肘・ゴルフ肘の診断には次のようなテストがあります。

これらのテストは痛みを誘発するテストで、痛みがあると陽性ということになります。

テニス肘では、以下のテストをいずれも肘を伸ばした状態で行い、痛みがあるかを見ます。

  • Thomsen(トムセン)テスト:手首を曲げられた状態から手首を反らす
  • Chair(チェア)テスト:いすを持ち上げる
  • 中指伸展テスト:中指を抑えられた状態から中指を伸ばす
  • ゴルフ肘では、以下のテストで痛みの有無を確認します。
  • リストフリクションテスト:抵抗をかけられた状態で手首を内側に曲げる
  • フォラームプロネーションテスト:抵抗をかけられた状態で前腕を回転させる

これらのテストでテニス肘、あるいはゴルフ肘という診断が下ったら治療を開始します。

テニス肘・ゴルフ肘の治療には、まず安静が必要です。原因となっている動きはもちろん、腕に痛みを感じるような動きは控えなければなりません。テニス肘・ゴルフ肘の治療は、基本的にはどちらもほぼ同じで、保存療法、手術療法があります。

(1)保存療法

テニス肘・ゴルフ肘は多くの場合、保存療法だけで改善します。

①ストレッチ 腕や手首、指のストレッチを行います。

②湿布・塗り薬 炎症を抑えます。

③注射 痛む部位に、局所麻酔や注射をします。

④肘サポーター 仕事などを休めないときに、痛みを軽減するのに役立ちます。

⑤レーザー光線

(2)手術療法

テニス肘の手術には筋膜切開術、切除術、ゴルフ肘の手術には瘢痕(はんこん)組織の除去、損傷組織の除去などがあります。保存療法で改善が見られない場合に手術を行うことになりますが、非常にまれなケースだということです。

(3)予防対策

テニス肘・ゴルフ肘を予防するには、原因となる動作ヘの対策が必要です。

  • ストレッチ
  • 肘サポーターの使用
  • 適切なラケットの使用
  • 手首の筋力トレーニング
  • プレー後の肘の冷却

テニス肘・ゴルフ肘は、腕に無理な負担がかかっているために起こるもので、安静にすることが重要です。その上で治療を行いましょう。また、治ったあとも再発しないために、原因について対策を考えることが大切です。

仕事の都合などでどうしても休めない方は、肘サポーターの使用や注射で痛みを軽減することも考えられますが、回復までに時間がかかると思われます。

すべての動きを中断することはできませんが、なるべく安静を心がけ、早くテニス肘・ゴルフ肘を治したいものです。テニス肘・ゴルフ肘は、原因を見つけ治療を行えば改善する病気です。どうぞあきらめないでください。